ガーデニング:農薬による健康障害を防止しよう!
皆さんは、家庭で農薬(殺菌剤、防かび剤、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤(さっそざい)、植物成長調整剤等)を使用していますか。
ガーデニングは、私たちの日常生活に潤いを与えてくれますが、そこで使用する農薬の選択や使用方法を間違えると、重大な健康障害を引き起こすことがあります。化学物質に敏感な人には、深刻な影響を及ぼすことがあります。また、子どもは大人と比べて屋外で多くの時間を過ごし、植物や土に触れた手をなめたりするので、農薬の影響を受けやすいと言えます。
青山内科小児科医院(前橋市)の青山美子院長は、「毎年、春から夏にかけてガーデニングによる農薬中毒とみられる患者が急増する」と警告しています。
今回は、家庭で使用する農薬による健康障害を防止するための対策について考えてみましょう。
1.農薬を使用しないガーデニング
家庭でのガーデニングであれば、多少の虫食いがあっても、問題になりません。農薬にできるだけ頼らないようにしましょう。具体的には、以下の例があります。
@ 土づくり
単一の植物だけではなく、寄せ植えにして、土づくりに気をつかう。
A 農薬ではなく、台所で使用するものを利用する。
・ アブラムシには、石鹸水や牛乳をスプレーすると、 気門をふさいで窒息さ
せる効果がある。
・ ビールを置いてナメクジをおびき寄せて捕獲する。
・ お酢をスプレーすると殺菌効果がある。
・ コーヒーやハーブティーを葉にかけると病気の予防になる。
2.農薬を使用する場合の注意事項
どうしても農薬を使用しなければならない時には、以下の項目に注意しましょう。
@ 農薬のラベルに注目
農薬のラベルに記載されている使用方法(使用回数、使用量、使用濃度等)、使用上の注意事項を守る。
A 服装等
農薬を使用する際には、農薬が皮膚に接触するのを防ぐため、原則としてゴム手袋、長袖長ズボンを着用する。
B 農薬散布は要注意
農薬を散布する際には、「霧状の農薬」や「農薬の粉じん」が飛散します。非常に大まかに言いますと、皮膚から吸収される農薬の毒性を1とすると、口から胃腸に入った場合はその10倍、吸入して肺に入った場合は50倍に高まります。
・ 保護衣(少量の使用であれば、長袖長ズボンを着用。大量の使用であれば、さらに雨合羽を着用する。)、農業用のマスク、ゴーグル、長靴等を着用する。
・ 農薬が周囲へ飛散しないよう注意する。近隣の窓が開いていたり、洗濯物が干してある時は散布しない。風のあるときも避ける。
・ 散布後は、お風呂に入って、体を洗う。
・ 農薬を散布した当日とその翌日は、散布した植物に、子どもが近づかないよう周囲(約2m)にロープを張り、立ち入り禁止の表示をする。
3.お役立ち情報
@農薬について詳しく知るなら
みんなの農薬情報館(農薬工業会)(http://www.jcpa.or.jp)
A 農薬のよろず相談窓口
緑の安全推進協会(http://midori-kyokai.com)
B 政府による農薬情報
農水省(http://www.maff.go.jp/nouyaku)
以上
<参考・引用>
1.日本経済新聞 2007年3月11日
2.東京都公式ホームページ;「化学物質の子どもガイドライン(殺虫剤樹木散布編)」
(http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/chem/kids/pes_1_mokuji.htm)