(表1)女性のカルシウム所要量 *は、ホルモン補充療法実施者
年齢
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日本(厚労省)1994年
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アメリカ(NAS)1997年
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アメリカ(NIH)1994年
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6〜8歳
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500
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800
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800〜1,200
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9歳
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600
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1,300
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10歳
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700
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11〜18歳
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1,200〜1500
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19〜24歳
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600
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1,000
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25〜50歳
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1,000
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51歳以上
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1,200
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1,500 *(1,000)
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妊娠期
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900
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1,000
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1,200〜1,500
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授乳期
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1,100
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カルシウムの摂取量UPのためのポイント
では、どのようにして、カルシウム摂取量を増やせばいいのでしょうか?
それは、ちょっとした心がけで可能となります。例えば、牛乳を朝晩コップ1杯ずつ飲んだり(コップ1杯のカルシウム量231mg)おかずにひじき(10gでカルシウム量140mg)や凍り豆腐(1枚でカルシウム量132mg)を一品つけたりと、ちょっとした工夫でカルシウムの摂取量を増やすことは可能です。牛乳で下痢をする人は、ヨーグルトや低脂肪乳、チーズで摂取してもOKです。
カルシウムは、一度にまとめて蓄えることができません。資料1の「カルシウムを多く含んでいる主な食品」をご参考に日々の食生活の中で上手に取り入れ、カルシウムの貯蓄量を増やしましょう。
その2:ビタミンDで吸収量をUP
ビタミンDには、カルシウムの吸収を促進し、骨の再生を促進する働きがあります。
食物にも含まれていますが、日光浴をすることによっても皮下で合成されます。皮膚の中にある「プロビタミンD」が紫外線の作用でビタミンDになるのです。ビタミンDは肝臓・腎臓で「活性型ビタミンD」に変化して腸からのカルシウム吸収の手助けをしますので、肝臓・腎臓に障害があるとカルシウムの吸収が低下する原因になるのです。ビタミンDの1日所要量は成人で100IU(2.5μg)とされており、食物では主に魚介類に多く含まれています。
その3:定期的な運動を継続する
若いころ運動をしなかった人や、長い間病気で寝込みがちだった人は、体格がきゃしゃになり骨が弱く、骨折しやすいことが知られています。無重力の宇宙から帰ってきた宇宙飛行士の骨量が減っていたことも話題になりました。骨を丈夫にするためにはカルシウムをとることが必要ですが、それと同じくらい運動が大切になります。それは、運動で骨に力がかかると、骨に弱いマイナスの電気が発生しカルシウムを呼び寄せるからです。また、運動は骨の血液の流れをよくし、骨をつくる細胞の働きを活発にします。
エアロビクスよりはバレーボール、それよりは重量挙げというように、骨にかかる力が大きく、また繰り返しが多いほど骨を強くすることがわかっています。でも無理に激しい運動をする必要はありません。たとえばウォーキングや水泳は、骨にかかる力は大きくはありませんが、継続して行えば効果が期待できます。スポーツが苦手という方やこれから運動を始める方は、まず散歩から始めるとよいでしょう。無理のない自分にあった運動を継続しましょう。
一般的に子供の成長期や妊娠期、授乳期には、カルシウムの摂取量を意識しますが、それ以外では、カルシウムの重要性が忘れられる傾向にあります。この機会にカルシウムの重要性を見直して、将来に骨粗しょう症という「つけ」を残さないようにしましょう。
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